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その他 / 2015年7月1日

美術館長が語る、子どもを豊かに育む方法〜10歳教育のススメ〜

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「開放感が溢れ、公園のような場所にしたい」 と語るのは兵庫県立美術館の館長をされている蓑豊氏。彼は「子どもたちとともに成長する美術館」 をコンセプトの一つとして、大人だけが楽しむ美術館の概念を変え、子どもも楽しみながら学べる場にといろいろな工夫をなされてきました。そんな蓑館長が、切に訴えることがあります。 それは現代の子どもの育み方です。

 

『自然と触れ合えないことは、不幸だ』

最近は子ども達が自然に触れることは少なくなってきましたね。校庭もコンクリートになってきて、土にまみれて遊ぶことがなくなってきた。それはやっぱり利便性を考えてしまうんですよね。都会は特にそうです。土を維持するのも大変だし。 いろんなことが重なって、だんだん自然と触れ合う機会が離れていってしまってる・・・これはいかがなものかと思います。 子ども達の安全性も考えると、走り回って転んだら大変だからと、人工芝にしていくところも増えてきました。 本当の「自然」との交わりがなくなってきている。 それと、昔は学校でいろんな動物飼ってたけど、今はそれも少なくなってきてますよね。なにか事件があるとやめないといけなくなるから。危険性や怪我が問題になれば自然と触れ合える場がなくなっていってしまう。 それは子ども達にとっては不幸なことです。

『10歳教育のススメ』

子どもの教育で大事な時期があります。わかりますか? 実は小学校4年生、10歳のときが一番大事。 意外でしょう? その時は、たとえ詰め込んでもいいから、なんでもさせることが大事なんですよね。語学もそうだし。 とにかく好奇心がある歳なんです。 人間ってわくわくしないと、感動しないと感受性が強くならないから、この10歳のときにいろんな情報を詰め込んでおくことが必要です。 4年生の受け持つ担任に、クリエイティブな先生がつくことが 一番理想なんじゃないかなと、僕は思っています。 日本は、新任の先生を4年生の担任にする。実はこれがよくないと思っているんですよね・・・子ども達にとっても先生にとっても。 ある程度、経験ある先生を4 年生の担任にすることがいいと思うんです。子どももしっかりしてきているし、なおかつスレていなくて、柔軟性があって、好奇心がある。この10歳を逃すのもったい無いんですよ。 一番多感な年頃に、美術とか音楽を集中して触れさせると、その子どもがより一層深い人間になるんですよね。

『子どもには感動をプレゼントしよう』

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たとえば、美術館って普通の建物じゃないし、刺激が多いんですよ。うちなんて宇宙船みたいな建物ですし。 こういう場所って、たくさんあるけれど、大人は自分の好きな場所か知ってるところにしか行かせない・・・。 知らないと恥をかくと思っているから。 でも、そんなことはないんです。 一緒に学んで感動したらいい。 もちろん、子ども達はそれに感動して、忘れない。 それが大きくなってからのものの感じ方につながってくる。 もし行く場所がなかったら、ここにくればいい。 兵庫県立美術館には、子どもが遊べる作品がいっぱいあるんで。

『こだわりが子どもを育む』

たとえば、お金をかけなくても、家庭の中で、センスのあるものがある家で育った子どもは全然変わりますよね。 外国には、そういうセンスというか、意識があるんですけど、日本はあまりない。 昔の日本だったら雅を意識していたと思うのですが、最近の親はそういうのに無関心。 たとえば、花を生けるってことだけでも重要です。その花瓶一つにしてもデザインにこだわる。コップでも服でも、机でも、美的感覚を育む最初の場所は、家庭だと僕は思います。

『本が大事。実は内容はなんでもいい。』

家に本があるなら、子どもの手に届く場所に置いて欲しい。 家になければ、本は集めた方がいい。 その内容は多少難しくても、子どもは読むんですよ。 それだけでいい。自分の専門(親の専門)でなくても読むんですよね、こどもは。 ちなみに私の息子は、本当になんでも読んでましたね。 (蓑館長のご子息は、現在ウールアニマルアートでアメリカで大活躍されています。) 言葉をたくさん知ることができるから、ボキャブラリーが増える。 本は楽しい。最近は、電車の中でも新聞や本を読む人を見かけなくなりましたよね。インターネットが普及してゲームをしたりだとか、たとえそれでニュースを見ていたとしても、インターネットのニュースなので、いわゆる「社説」を読まない風習がある。 だから政治にも日本人は弱くなっていってる。 つまり、学校や試験に出るものしか学ぼうとしなくなってます・・・評価されるために学んでいる時代というか。 そういうところも、変えていかないといけないですね。

『想像力は、指から入る』

 

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木のおもちゃはいいですね。プラスチックのおもちゃはあまりよくないです。指の感覚って、子どものときに育つから、木に触れることがとても大事。想像力は指から入るから。 なんでも器用にもなるし、生きるちからにつながります。 私の息子も小さい時は、木のおもちゃでずっと遊んでましたね。知育というのは、遊びながらじゃないと想像力がつかないんですからね。 また、親子一緒に自然にはいっていくことをお勧めしたいです。ハイキングをしたり、そのときに木や花の名前を子どもに聞かれて、そのたびに調べて教えてあげながら育んでいく。 携帯じゃなくて、図鑑で。そしたら図鑑も好きになる。 そういう自然と共にある教育を日本中に復活させていきたいですね。

これからも親子でこれる美術館・会話が生まれる展覧会を目指します。そういう場づくりで、子どもと親の教育にも寄与したいと考えています。

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